お役立ちコラム

「お墓の外柵・付属品③」〜付属品を付ける意味とは?その理由と役割について〜

隣接するお墓との境界線ともなる外柵や、お花やお線香などをお供えする際に必要不可欠となる付属品など、お墓本体とは別に外柵・付属品をつける必要があります。しかし実際、ご自身のお墓に不要な付属品をプラスしてしまうと、余計な出費となってしまいます。

そうならないためにも何が必要で何が不要か、付属品を付ける意味合いをしっかりと事前に把握しましょう。

お墓本体とは別に必要となる付属品は?

付属品の中には、必ず必要なものがあります。「香炉(こうろ)」「花立(はなだて)・花筒(はなづつ)」「供物台(くもつだい)」の3つは確実に必要です。「香炉(こうろ)」がなければお線香が、「花立(はなだて)・花筒(はなづつ)」がなければお花をお供えすることができません。そのまま地面にお供えするとなると、墓石が傷んでしまう原因にもなりますし、見栄えも良くありません。

|「香炉(こうろ)」が必要な理由

お線香には、仏教で供養に必要とされる「香」「花」「水」「飲食(おんじき)」「灯燭(とうしょく)」のうちの一つです。お香には周囲を浄化し、心身を清め、死者の魂を悟りに導くと言われています。また、亡くなった人の食べ物になるとも言われています。そのため、香りがいいお線香を使用する方が望ましいとされます。

元々は墓前に立ててお供えしていましたが、雨風ですぐに消えてしまい、またお線香をたくさんお供えすることができません。さらにお線香を墓石に直置きすると、お線香の熱や焦げのせいで石が変色してしまったり、ヒビが入ってしまう原因にもなります。

|「花立(はなだて)・花筒(はなづつ)」が必要な理由

お花は厳しい環境下においても美しく咲き続け、その姿が厳しい修行に耐え悟りを開く仏教の教えにも通じつものがあるとされています。そうした教え方から仏様にお花を添えるようになったと言われています。

「香炉(こうろ)」と同じで、供養に必要な「花」を供えるための付属品です。よく混同されがちな「花立(はなだて)」があり、厳密にいうと「花立(はなだて)」と「花筒(はなづつ)」は違うものです。「花筒(はなづつ)」はお花を供えるための筒で、「花立(はなだて)」はその「花筒(はなづつ)」を入れる台座部分のことです。

花筒(はなづつ)は、お墓に取り付け型になっていることが多く、花立(はなだて)を取り外しできるタイプであれば、細かな汚れはお墓から取り外して掃除

|「供物台(くもつだい)」が必要な理由

お仏壇と同じで「五供(ごくう・ごく)」と呼ばれる仏教のお供物を基本にしているので、供物台(くもつだい)は必要不可欠です。

「供物台(くもつだい)」には、水鉢(みずばち)という水をお供えするくぼんだ部分も兼ね備わっていることも多く、そこに浄水(じょうすい)をお供えします。浄水(じょうすい)は仏様がきれいな水を好むので、新鮮な水を供えることが供養になります。浄水(じょうすい)はご先祖様や故人がその姿を映してくれるという意味合いもあります。

またお供えする飲食(おんじき)は、故人が好きだった食べ物や飲み物を供物台(くもつだい)にお供えし、暗闇を照らす「灯燭(とうしょく)」は、心の中の煩悩を取り除くことができると言われているので、近年さまざまな形の蝋燭も発売されているので、故人が好きだった形の蝋燭をお供えし「灯燭(とうしょく)」としてお供えしましょう。

「五供(ごくう・ごく)」をお供えするために、「香炉(こうろ)」「花立(はなだて)・花筒(はなづつ)」「供物台(くもつだい)」はお墓本体には欠かせない付属品となります。

墓地面積や金額によって追加したい外柵・付属品は?

他にも墓地の面積や金額によって追加したい外柵・付属品もあります。種類も豊富に取り揃っているので、華美すぎるものをチョイスしなければ、 追加を検討してもいいでしょう。

|外柵(がいさく)

自分の家のお墓と、他家のお墓とを隔てる外柵は、お墓本体を建てる時に同時に取り付けることが多いですが、境目としての役割、補強としての役割が果たせていれば問題ありません。そのため華美な外柵にしてしまうとその分割高になってしまいます。他家のお墓と区別はつきやすくなるかもしれませんが、あまりお勧めはしません。

|塔婆立て(とうばたて)

墓地に建てる細長い木の板「卒塔婆(そとうば)」は、亡くなった方への冥福を祈りお墓に立てます。また仏教では、卒塔婆(そとうば)を立てることは、追善供養がされたという意味もあります。追善供養は、亡くなった方の命日(一周忌や三周忌)に法事を行い、生きている人たちが故人のため功徳を積むことが故人の善行につながり、それがやがて巡り自分へと戻ってくるという考えがあるからです。

とはいえ必ず塔婆を立てないと供養につながらないというわけではないので、塔婆立て(とうばたて)を設置しないお墓もあります。また塔婆を立てない宗派もあります。

|墓誌(ぼし)
現代のお墓は「○○家之墓」として一族が埋葬されるため、墓石本体に全ての故人やご先祖様の名前を彫刻することができません。そのため墓誌(ぼし)に名前や戒名、生没年月日などを彫刻します。しかし、お墓本体の棹石の左右側面に約8人程度の名前などを彫刻することができるため、必ず墓誌(ぼし)を建てないといけないというわけではありません。

近年では、都市部などは墓地区画が不足していることから「省エネ墓地」として墓誌(ぼし)を建てるスペースもないくらい狭い区画のお墓も増えています。

|物置台(ものおきだい)
物置台(ものおきだい)はその名の通り、手荷物などを置くための石製の台のことです。お墓参りへ行くとき、必ずお線香・お花・飲食・お水といったお供物の他にも、お線香をつけるためのマッチや、お花の長さを揃えるハサミ、周囲の掃除や雑草をとるための道具など何かと手荷物が多くなってしまいます。そんな荷物を置いておけるのが、物置台(ものおきだい)ですが、石製だからこそ腰掛けることもできます。また、収納できる物置台(ものおきだい)にすれば、マッチや掃除道具などしまっておけるので便利です。

さらに物置台(ものおきだい)は後から設置することもできるため、時期をみて設置するかどうか判断しても遅くはありません。

|灯籠(とうろう)

「灯籠(とうろう)」は、故人やご先祖様の供養のために建てられていたものの、現在では単純に装飾品の1つとして好まれています。また、電灯や照明などがなかった時代、お墓参りへ来る人たちが自分の家のお墓に迷わずたどり着けるようにという、目印としての役割も担っていました。

ちなみに、「灯籠(とうろう)」には、いくつか種類があり、雪見灯籠、角墓前灯籠、丸前灯籠、墓前灯籠などがあり、墓前に建てるものを墓前灯籠と呼びます。

まとめ

付属品や外柵はお墓本体代や墓地の区画代とは別にお金が必要となります。迷った結果、あれこれと余計な物をつけてしまい、総額が予定していた額より大幅に超えてしまった・・・なんてこともあるほどです。種類も豊富にあってどれも良く見えてしまうので、金額がオーバーしてしまわぬよう、注意が必要です。

しかし家族と共に決めようとしても詳しいことがわからない、なんてこともあるので、的確なアドバイスが返ってくる「石材店」を頼ってみるのも一つの手です。

オンラインでも気軽にお問い合わせできるので、迷ったらまずは相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。オンラインでの相談は、こちら

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