お役立ちコラム

今さら聞けないお盆のマナーやしきたりをしっかり覚えたい!前準備や法要なども解説

太陽の日差しがきつく感じ始める頃、そろそろ今年もお盆が近付いてきます。毎年のことながら、なんとなくこうするのが定番と、実際にしきたりやマナーについて深く知る機会がない方も多いのでは?

お盆は、ご先祖様や故人を供養するということは言うまでもありませんが、実際なんとなくでマナーやしきたりをしっかり把握していないのであれば、今一度見直してみるのもお勧めです。

お盆時期のお墓参りのマナーとは?

月命日やいつものお墓参りであれば、普段着やカジュアルで動きやすい服装で問題ありませんが、お盆の時期にお墓参りをする際、実は服装に注意する必要があります。

男性の服装
まず男性の場合は、地域にもよりますがダーク系のスーツや地味な色合いの普段着で行くのが一般的です。ワイシャツは白系でネクタイをする場合は、地味な色合いや柄が派手じゃないものが好ましいです。お墓の掃除をするのであれば、白いワイシャツだと汚れてしまう恐れがあるので、黒やネイビーといった汚れても目立ちにくいトップスを

女性の服装
男性同様に、色合いは黒やネイビーといったシックな装いに、ワンピースやスーツ、ブラウス+スカートなどでシンプルにまとめましょう。できる限りアクセサリー類は控え、靴も足場の悪い所でも歩きやすいものにしましょう。

ご先祖様や故人を迎えるお部屋を用意する

ご先祖様や故人が現世へ帰ってくる場所として、仏壇が思い浮かびますが、お盆では仏壇や神棚とは別に祭壇を用意します。この祭壇は、盆棚や精霊棚とも呼ばれ、ご先祖様や故人の霊がお盆の期間に滞在するお部屋のような役割をします。

盆棚(精霊棚)の飾り付け
各宗教や地域によって違いがありますが、一般的には仏壇の前などに経机か小机に真菰(まこも)や敷物をしき、仏壇から取り出した位牌を精霊棚の中央に安置します。位牌を出している間は、仏壇の扉は閉じた状態にします。

そして精霊馬(しょうりょううま)と、お供物をお供えし、棚の横に提灯を置きます。提灯はお盆の期間常に灯りをつけておきましょう。

新盆(初盆)の場合、上記の飾りに加え、白提灯を用意します。玄関や軒先に飾るのが一般的ですが、集合住宅やご近所との兼ね合いなどで無理せず、仏壇の脇や玄関の内側に設置しても大丈夫です。

お供物にもマナーってあるの?

宗派や地域によってもお供物が異なりますが、お盆時期のお供物はいつものお供物とどう違ってくるのでしょうか。

五供(ごく・ごくう)
「香(線香)」「花」「灯燭(ろうそく)」「水」「飲食」の5種類のお供物を基本としそれらをまとめて「五供(ごく・ごくう)」と呼びます。この「五供(ごく・ごくう)」はお盆だから特別にと言うわけではなく、日頃からお供えもします。

盆膳(ぼんぜん)
また「飲食」に関しては、「盆膳(霊具膳・霊供膳とも呼びます)」と呼ばれる小さな食器セットに、お肉や魚、匂いの強くない食材で作った精進料理を盛り付けてお供えします。基本的には「一汁三菜」もしくは「一汁五菜」のお膳が正式で、ご飯とお漬物を数に入れず、汁ものが1種とおかずを3品もしくは5品用意します。

特に煩悩を刺激することを禁止するという理由から「五辛(ごしん)」と呼ばれる食材、ネギ・ニラ・ニンニク・玉ねぎ・らっきょうなどは避けるようにしましょう。

さらにお供えするときは、お箸を奥にして(仏壇側に向け)お椀の蓋を取り、ご先祖様や故人が召し上がりやすくするのがマナーです。

回数はお盆の4日間(13日〜16日)、朝・昼・晩の3回用意します。家族と共に食事をすることが、故人やご先祖様にとって何よりの御供養となるからです。最終日には故人やご先祖様が好きだった食べ物を用意するご家庭もあります。

お迎えするための精霊馬(しょうりょううま)・精霊牛(しょうりょううし)の準備も忘れずに!

ナスやキュウリといった野菜でご先祖様や故人が現世へやってくるための乗り物を用意します。キュウリは馬、ナスは牛をイメージし、地方によって使われる野菜も様々です。馬はご先祖様や故人が早く家に帰ってきてもらうためで、牛はなるべくゆっくりとあの世へ帰ってもらうためと言われています。お供えする際、順序が決まっている地域もあるので、事前に調べておくようにしましょう。

最低限覚えておきたいお盆のマナー5つ

①1日と7日にお盆前の準備をする
「釜蓋朔日(かまぶたついたち)」と呼ばれるお盆の月である8月1日には、地獄の釜の蓋が開く日と言われ、ご先祖様や故人があの世を出発する日とされています。そのためお墓の掃除をしたり、仏壇の掃除をしたりとお盆に向けた前準備をします。

7日は、「棚幡(たなばた)」と呼ばれお盆には欠かせない盆棚(精霊棚)を用意する日とされています。

②お盆当日にはご先祖様や故人をお迎えに行く
1日にお墓や仏壇の掃除ができなかったご家庭は、13日の午前中までにお墓と仏壇を綺麗に掃除します。ご先祖様や故人が帰ってきたとき、雑草だらけホコリだらけなのはよくありません。

また、お墓を綺麗にしたあとお供物をするとき、果物やお菓子などは直接墓石に置かず、半紙やお皿などの上にお供えするのがマナーです。お酒やジュースなどを墓石にかける方もいますが、墓石が傷んでしまうので避けた方がいいでしょう。

家では、ご先祖様や故人を家に迎えるための盆棚(精霊棚)に、精霊馬やお供物をお供えします。飾る場所や個数、デザインなど決まりはありませんが、精霊棚の横や仏壇付近に、ご先祖様や故人が迷わず帰ってこられるよう、盆提灯を置きます。

さらに、地域によって異なりますがご先祖様や故人が無事家に帰ってこれた疲れを癒すために、餡やタレなどで甘みをつけたお団子を用意します。このお団子を「迎え団子」と呼びます。数など決まりは特にありませんが、仏教の六道に合わせ6個や、十三仏にちなみ13個といった個数を用意するご家庭が多いようです。

③迎え火を焚いてご先祖様や故人をお迎えする
13日の午後(夕方)に迎え火を焚きます。家の門前や玄関前で焙烙(ほうろく)と呼ばれるお皿を置き、おがら(麻の茎)を入れ、火をつけ煙を天へ上らせます。また、焙烙がない場合は、耐熱皿を代替えで使用しても問題ありません。

迎え火を焚いている時は、ご先祖様や故人をお迎えする気持ちをもって、合掌しましょう。マンションやアパートなど集合住宅などのベランダで行う場合もありますが、難しい時は盆提灯を代わりに吊るすだけでも大丈夫です。

④お供物には白い掛紙をかける
お盆の時期に、親戚宅や知人宅へお邪魔する際、菓子折りや果物などに「のし紙」をつけないのがマナーです。のし紙は、のし・水引・表書きが印刷された紙で、贈り物にかけるのが一般的ですが、お盆の時期は真っ白い掛紙(かけし)をかけます。また、飴やチョコレートといった溶けやすいものや、切り分けたりするお菓子などは避け、個包装されている日持ちするお菓子を選びましょう。

また、お金をお供えする時は、不祝儀袋を使用します。「ご仏(佛)前」「御供物料」と書かれた不祝儀袋を用意します。水引は黒白が一般的ですが、地域によって黄白の結び切りを使うこともあります。知人友人は3千円もしくは5千円、初盆であれば、5千円〜1万円ほど包みます。

持参した香典やお供物は、自分の手で直接お供えするのがマナーです。もし他の方のお供物が仏壇にあり置く場所が分からない場合は、ご遺族にどちらに置けばいいか確認しましょう。

⑤送り火を焚いてご先祖様や故人をお見送りする
16日の「お盆明け」には、送り火を焚いてご先祖様や故人をお見送りします。送り火は、迎え火を焚いた同じ場所で行います。おがらや白樺の皮を焚いて、ご先祖様や故人の帰り道の道標とします。盆提灯の場合は、提灯を外へ持ち出し、お見送りした後に灯りを消します。この時、ご先祖様や故人がゆっくりと帰っていってもらいたい、迷わず浄土へといけるように心を込めてお見送りしましょう。

お盆に行う法要のマナーとは?

故人が亡くなり初めてのお盆である新盆(初盆)には、お盆の中日である14日もしくは15日に自宅やお寺などで法要を行います。しかしこの時期は法要を依頼するご家庭が集中するため、地域によっては僧侶の予定が埋まってしまい、希望する日に来てもらえない・行ってもらえないということもありますので、早い段階で日程を決め、お寺へ依頼するようにしましょう。

また、法要が終わった後、参列者に仕出し料理などを振る舞いますが、こちらもお盆時期は混み合うため、早めに参列者の人数を決め依頼するようにします。最後に、参列者の方々にお返しの品を渡します。一般的には、3,000円〜5,000円位の海苔や水菓子、洗剤といった消えて無くなるものを選ぶのがマナーです。

お盆はご先祖様や故人の魂を現世へとお迎えする大切な仏教行事なので、マナーをしっかりと把握し、事前準備の仕方やお盆期間中に行わなければならないことをきちんと頭に入れておくようにしましょう。

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