お墓に供えるお花は、生花がふさわしいものと考えられ、生花であれば季節を感じられることや、手をかけて花を用意する行為そのものが、故人への想いを表すと捉えられてきたからです。

一方、造花は仏教の教えである「諸行無常」に反するという考え方や、生花のような香りやみずみずしさがない、手抜きに見えてしまうといった、見た目やマナー面での理由が背景にあります。

しかし、多くのお墓は屋外にあり、天候や気温の影響により、花がすぐに傷んでしまうことも少なくありません。枯れた花を前に、申し訳なさや心残りを感じた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そうした中で、供花の選択肢として注目されているのが、陶器でできた花「カレンヌ」です。本コラムでは、その特徴や供花としての考え方を、石材店の視点からご紹介します。

■陶器の花「カレンヌ」ってなに？その素材や特徴について｜お墓に供える陶器花

陶器の花「カレンヌ」は、お墓に供えることを前提に作られた陶器製の供花です。生花のような美しさを保ちながら、枯れることがなく、長期間安定した状態でお供えできる点が特徴です。素材には陶器が使用されており、屋外設置を想定した耐久性と、上品で落ち着いた質感を兼ね備えています。

生花は季節や天候によって傷みやすく、こまめな交換や手入れが必要です。一方、カレンヌは水替えや花の処分といった管理の手間がかからず、常に整った印象の墓前を保ちやすくなります。色味や形状もお墓の景観になじむよう配慮されており、供養の場にふさわしい佇まいが意識されています。

供花は生花でなければならないと感じる方もいらっしゃいますが、形よりも故人を想い、手を合わせ続けること自体が供養であると考える方も少なくありません。陶器の花は、その想いを無理なく続けるための一つの方法と言えるでしょう。

■供花の新しいスタイルに最適！お墓参りの負担を減らし、遠方参りでも安心

お墓参りに欠かせない供花ですが、その準備や管理に負担を感じている方も多いのが現状です。花の購入や水替え、枯れた花の片付けなど、参拝時の作業が体力的な負担につながることもあります。

特に、お墓が遠方にある場合や、頻繁に足を運ぶことが難しいご家庭では、供花の管理が悩みの一つになりがちです。久しぶりに訪れた際、花が傷んでいる様子を見ると、心苦しさを覚えることもあるでしょう。

陶器の花は水替えが不要で、天候の影響も受けにくいため、長期間安定した状態を保ちやすい供花です。お墓参りの負担を減らしながら、故人を想う気持ちを形として残せる点は、現代の暮らしに寄り添った供花のあり方と言えます。

■陶器の花「カレンヌ」を供えるメリット・デメリットと注意点

陶器の花「カレンヌ」の大きなメリットは、枯れることがなく、美しい状態を長く保てる点です。定期的な交換や水替えが不要なため、管理の負担を軽減できます。天候や季節の影響を受けにくく、墓前を整った印象に保ちやすい点も安心材料です。

一方で、陶器製であるため、強い衝撃によって欠けや割れが生じる可能性があります。また、生花に比べて初期費用がかかる点や、価値観の違いを感じる方がいる点も理解しておく必要があります。

大切なのは、ご家族が納得できる供養の形を選ぶことです。無理をして続けられなくなるよりも、続けられる方法を選ぶことが、結果として故人への想いを守ることにつながります。

メリット

✔️枯れることがなく、長期間美しい状態を保てる

✔️水替えや花の交換が不要で、管理の手間がかからない

✔️天候や季節の影響を受けにくく、屋外でも安定して設置できる

✔️遠方のお墓や頻繁に参れない場合でも、墓前を整った印象に保ちやすい

✔️花が散ったり傷んだりする心配が少なく、精神的な負担が軽減される

デメリット・注意点

✔️陶器製のため、強い衝撃が加わると欠けや割れが生じる可能性がある

✔️生花と比べると、導入時の費用が高く感じられる場合がある

✔️「供花は生花が望ましい」と考える方には、価値観の違いが生じることがある

✔️宗派や地域の慣習によっては、事前に家族間での相談が必要な場合がある

■供養の形は今後どう変わる？多様化する時代に選ばれる「カレンヌ」の可能性

供養の形は、暮らし方の変化とともに多様化しています。生活拠点が分散し、従来と同じ形で供養を続けることが難しいご家庭も増えています。

供養の価値そのものが薄れているわけではありません。形式にとらわれるよりも、故人を想う気持ちをどのように形にするかが重視されるようになっています。これまで大切にされてきた想いを、形を変えて受け継いでいく考え方も必要とされているのではないでしょうか。

陶器の花「カレンヌ」は、無理なく供養を続けたい方にとって、現実的な選択肢の一つです。供養の形が一つではない時代において、その可能性は今後も広がっていくと考えられます。

■石材店の視点から見る、陶器の花という選択肢

石材店の立場から見ると、供花や墓花の管理に関する悩みは多く寄せられます。きれいな墓前を保ちたいという想いがある一方で、管理の負担に悩まれている方も少なくありません。

陶器の花は、そうした悩みに寄り添う選択肢の一つです。枯れることがなく、安定した状態を保てる点は、遠方参りやご高齢の方にとって現実的な利点となります。

私たち石材店が大切にしているのは、ご家族の考え方や生活環境に合った供養の形をご提案することです。生花を大切にする気持ちを尊重しながら、陶器の花という選択肢があることを知っていただくことも、役割の一つだと考えています。

■まとめ

陶器の花「カレンヌ」は、生花に代わるものではなく、現代の暮らしに寄り添う供花の選択肢の一つです。管理の負担を抑えながら、整った墓前を保てる点は、多くのご家庭に安心をもたらします。

種類も、ユリはもちろん、トルコギキョウ、胡蝶蘭、ヒマワリといったお花を模したものや香炉・小花タイプもあります。主に公式オンラインや、大手ECサイトの他に石材店では実物を見てから購入できるよう、展示などもされているので直接見てから購入したい場合は、石材店へ問い合わせてみるのもおすすめす。

供養の形に正解はありません。ご家族の想いや状況に合った方法を選ぶことが何よりも大切です。

カレンヌについて、無料相談も行なっておりますので、お気軽にオンラインからまずはご相談ください！

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