近年、「実家に誰も住まなくなった」「維持費や管理の負担が大きい」といった理由から、お墓だけでなく、家屋や庭の扱いにも悩むご家庭が増えています。暮らし方や家族構成が多様化する中で、従来は別々に考えられてきた“墓じまい・家じまい・庭じまい”が、同時に検討されるケースも少なくありません。

離れて暮らす家族が増えたことで、実家全体を見直す「生活資産の棚卸し」という考え方が広がっています。お墓や建物、庭にはそれぞれ固有の手続きや専門知識が必要で、何から手をつけるべきか迷う方も少なくありません。本コラムでは、現代の状況をふまえ、家じまいの基本的な進め方や墓じまいとの同時進行のメリット、注意点を整理し、将来に向けた安心の備えに役立つポイントをご紹介します。

■お墓だけではなく、家や庭も“管理しきれない”時代に

高齢化や核家族化が進む現代では、実家の維持や家族でのお墓管理を続けることが困難になる家庭が増えています。以前は、親族が同じ地域に住み、家やお墓の世話を自然と引き継ぐことができました。しかし現在は、子世代が地元を離れて生活するケースが多く、実家から数百キロ離れた場所で暮らす家庭も珍しくありません。

このような状況では、「家の管理が行き届かなくなった」「庭木の手入れが追いつかず近隣への影響が心配」「お墓の手入れができないまま長年放置してしまった」といった問題が生じます。家や庭は放置すると老朽化や倒木、雑草の繁茂などのリスクが高まり、管理の負担は年々大きくなります。空き家の増加や防犯上の懸念も社会問題となっており、お墓だけを切り離して考えるのではなく、実家全体をひとつの“生活資産”として整理する動きが広がっています。

管理が難しい場合でも、急いで解体や墓じまいを決める必要はありません。まずは現状を把握し、家・庭・お墓それぞれにどのような選択肢があるのかを知ることが重要です。

■墓じまいと同時に「家・庭の整理」を進める人が増えている背景

近年、墓じまいの相談を受ける際、同時に実家の片付けや庭の整理も希望される方が増えています。背景にはいくつかの共通点があります。

まず、実家の老朽化や空き家化です。親が施設に入所したり子世代が別の地域で暮らし始めたりすると、誰も住まない家が残ります。空き家は建物の劣化や雨漏り、シロアリ被害、庭木の荒れなど管理負担が急増します。墓じまいのタイミングで家や庭の問題も同時に考えざるを得ない家庭が多いのです。

遠方からの管理負担も大きな要因です。年に数回の帰省では、掃除や庭木の手入れが十分に行えません。墓じまいを検討する時期は、今後どれだけ実家に通えるかを現実的に考えるタイミングでもあり、家や庭の整理を検討する契機となっています。

さらに、相続手続きとの関係も無視できません。土地・建物・庭木の扱いは、祭祀承継と同じく必ず問題になります。墓じまいを検討する時点で「家も整理する必要がある」と感じる家庭は多く、早期に実家全体の整理を意識する傾向があります。

最後に、心理的な区切りをつける意味もあります。墓じまいをきっかけに、「家や庭も整理してみよう」と前向きに進められるケースも少なくありません。こうした複数の理由から、墓じまいと家・庭の整理は切り離しにくいテーマになっています。

■家じまいとは何か：片付け・解体までの基本ステップ

家じまいは、住む人がいなくなった家を今後どう扱うかを決め、片付けや不要品の整理、家屋の解体までを含めた一連の作業です。単なる片付けではなく、家の状態や家族の意向を踏まえて総合的に判断することが求められます。

まずは室内の片付けです。家具や家財、思い出の品を「残すもの」「処分するもの」「形見分けするもの」「買取に出せるもの」に分類します。特に思い出の品は整理に時間がかかることが多く、必要に応じて専門の整理業者に依頼する家庭もあります。

片付けの後は、建物の状態を確認し、解体の必要性を検討します。老朽化が進んでいる場合は、解体業者を選定し、見積もり、近隣挨拶、敷地の整地といった段取りを踏む必要があります。庭や塀、倉庫なども含めて検討することが望ましいです。解体の際には費用やスケジュールをあらかじめ整理しておくことで、計画がスムーズに進みます。

■墓じまい・庭じまい・家じまいを同時に進めるメリットと注意点

3つの整理を同時に検討することで、時間や費用を効率的に使える点が大きなメリットです。業者への依頼費用や運搬費、解体費をまとめて管理できるため、遠方のご家族にとっても負担を軽減できます。また、精神的にも実家全体を整理し一区切りをつける感覚が得られます。

注意点としては、スケジュール調整や費用の一括発生、作業の優先順位を明確にすることが重要です。墓じまいは許可申請が必要な場合があり、家の解体や庭の整理と順序を誤ると手間が増えます。事前に計画を整理し、専門家と相談しながら進めることが後悔を避けるポイントです。

■後悔しないために：家族で事前に話し合っておきたい3つのこと

▼何を残し、何を手放すか
お墓、家の家具・家財、庭木の優先順位を家族で共有することで、判断の迷いや意見の対立を避けられます。

▼費用や手続きの負担の分担
解体費、墓石撤去費、庭木の処分費など、誰が負担するかを明確にし、専門業者の手配方法も確認しておきます。

▼今後の管理方針の共有
家や土地、墓をどう扱うかを家族で話し合い、空き家として維持するか、墓の管理を誰が引き継ぐか、庭をどう整備するかを決めます。

事前に話し合い、計画を共有することで効率が上がり、心理的負担も軽減されます。

■まとめ

少子高齢化やライフスタイルの変化により、お墓だけでなく実家の家屋や庭の管理も難しくなる家庭が増えています。家じまいは室内の片付け、不要品処分、家屋の解体まで含む作業であり、庭じまいは庭木や植栽、石材の整理を通じて手入れの負担を減らす作業です。いずれも段取りや費用、家族間の意思決定が重要で、専門知識が必要な場合もあります。

東洋石材では、墓じまいだけでなく家じまい・庭じまいも窓口として対応可能です。複数の作業を一度に相談できるので、手配やスケジュール調整の負担をまとめて軽減させることが可能です。経験豊富なスタッフが各工程の注意点や進め方を丁寧にわかりやすくご案内するため、安心して作業も進められます。

墓じまい・庭じまい・家じまいを同時に検討することで、時間や費用を効率的に使えるだけでなく、家族の思い出や大切な場所に一区切りをつけることもできます。現状を整理し、信頼できる窓口に相談することが、後悔なく進める第一歩です。

お墓のこと・家や庭のことででお悩みの方は、無料相談も行なっております。お気軽にオンラインからまずはご相談ください！

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