お役立ちコラム

主流となった「洋型」と急増する「デザイン型墓石」など現代のお墓事情とは?

先祖代々から受け継がれた「和型」のお墓が多くを占める中、近年では故人の生前の趣味や趣向、また信仰などによって墓石の形状も様々に変化しています。現在、墓石は和型・洋型・デザイン型に分類され、「和型」は古くから主流でしたが、選択する自由から「洋型」や「デザイン型」を選ばれる方も多くなってきています。

その中でも「デザイン型」はオリジナル性が高く、故人が好きだった言葉やデザインなどを墓石に施すことが可能です。石材店もそんな時代の変化に合わせた墓石を数多く取り揃え、お墓参りする人が故人の思い出を大切にできるようサポートしています。

「洋型」の墓石とは?

洋型墓石の形状によって大きく分けて6種類あります。竿石や台石など組み合わせによって変わり、また地域や宗教・宗派によって墓石本体の形状が異なってきます。全国的に一般的と言われているのは下記の通りです。

・洋一段ストレート型
ストレート型の墓石は、竿石がほぼ垂直に建っています。下台の上に直接竿石が重なり、中台のない墓石のことを指します。

・洋二段ストレート型
洋一段ストレート型の形状に、中台を入れ二段式になっているものです。

・洋二段ストレート型(垂直加工・亀腹加工)
垂直加工は、墓石の台の部分を斜めに加工し、なだらかに仕上げる加工です。垂直加工することで、水はけが良くなるのが特徴です。

亀腹加工は、その名の通り亀のお腹のような丸みを帯びたふっくらとした曲線を描いた加工です。墓石の角を丸く削り取り、水はけをよくする他にも墓石の角部分の割れを防止する効果もあります。

・洋一段オルガン型
竿石の前部分が斜めに加工された、洋一段オルガン型は、見た目がオルガンのような形状をしていることから名付けられた墓石です。中台がなく竿台のしたが直接下台になっています。

・洋二段オルガン型
洋一段オルガン型に中台を入れ二段式になったものです。

・洋二段オルガン型(垂直加工・亀腹加工)
洋二段オルガン型の墓石に、垂直加工や亀腹加工を施したタイプです。

 

「デザイン型」の墓石とは?

「デザイン型」の墓石は、墓石デザイナーと相談しながら、完全オリジナルで作り上げます。和型であれ洋型であれ墓石は、機械のような手を持つ巧みの職人が一つ一つ手作業をするため、どんなデザインでも石工の手間は変わりません。デザイン型は円形や湾曲など丸みを帯びた加工には手間がかかるためその分費用が嵩みます。中には、ガラスを使用した透明なお墓もあり、形状だけでなく、素材的にもオリジナル性を求めることができます。

デザイン型の多くは、洋一段オルガン型を加工したものが多いものの、近年では、メッセージの文字に合わせて切り抜いたデザインや、通常1つの棹石を立方体で3つ重ねた「時空間」や「永遠の眠り」をイメージしたデザインなど種類も様々にあります。

「リメイクデザイン」の墓石も

地元にあるお墓を自分が住む近くに移転する「改葬」も増えているものの、新しい移転先の霊園などの規定で古い墓石の持ち込みが認められない、または墓地が狭くて収まらないなどの悩みも増えています。しかし代々受け継いだ墓石は愛着もあり、なかなか新しい墓石を購入するといった決心もつかないものです。そんな方にお勧めなのが、元のお墓を切り出して加工し、新たな墓石のデザインの一部に組み込む「リメイクデザイン」墓石です。例えば、元のお墓が和型墓石で、棹石(上部の縦長の石碑)をそのまま残すタイプや、既存の墓石に図柄などを追加で加えるものなどもあります。

故人の想いをより身近に感じたいなら

近年では、海や山などに散骨したり、樹木葬などでお墓を持たない葬送の形が増え、また「墓じまい」を選ばれる方も増えています。お墓を持たない人でも、故人を偲び想いを巡らせる拠り所は必要です。そんな方達に選ばれているのが、手元供養・手元墓です。

▼手元供養・自宅墓とは?

手元供養はその名の通り、自宅で故人の遺灰や遺骨の一部、思い出の品物などを納め、安置したり常に身につける新しい供養の仕方です。遺灰や遺骨の一部を納める小さなポットも和洋を問わずインテリアにもマッチするものも多く、特に核家族化の影響によって一緒に暮らしていた近しい家族を自分と近しい場所で供養したいと思う気持ちが手元供養の需要が伸びている要因の一つと言えます。

また、お墓が遠方にありお墓参りへ頻繁にできない人や、女性なら嫁ぎ先で実父母の仏壇を持てない代わりに、手元に置きたいと思う人にも人気が高いです。

さらに、手元供養は身近でいつも供養できると現代の洋風の生活空間にもマッチし、様々なファッションコーディネートにも合うジュエリータイプも種類が選べるようになってきています。

常に身につけたい人に選ばれているジュエリータイプの主流は、少し前までは遺骨を加工したダイヤのネックレスや遺骨を納めるペンダントなどでしたが、最近では、チタンなどに遺灰や遺骨の一部を納めた、カジュアルにもフォーマルにもマッチするシンプルなネックレスやブレスレット、また真珠なども人気が高まっています。ペンダントトップもハートや月や星型、花の形などを模したものなど種類も様々です。

そのほかにも、骨壷と遺灰などをコンパクトに収納できる「ご供養家具」や、3Dプリンタを使って再現する「遺人形」など生前の姿を全身で再現したものもあります。

▼手元供養のメリットとは?

ー故人を常に身近に感じることができる
遺骨や遺灰を自宅で保管することで、故人を常に側で感じることができます。「暗いお墓の中では可哀想」と思われる方も多く、自宅で手厚く供養したい方にお勧めです。

ー遠方に出向く必要がなくなる
自宅からお墓まで遠くて足を運べない、体調が優れないなど、お墓まで出向くことが困難な場合もあります。手元で供養できるのであれば、お墓までの距離や時間など関係なく、いつでも供養することができます。

ー費用を抑えることができる
お墓を建てる場合、最低でも100万円程度必要となります。しかし手元供養であれば、それほど大きなお墓などは必要なく、ほとんど費用をかけることなく供養することができます。

手元墓(てもとはか)

「手元墓」は手元で供養できるミニチュアサイズの「ミニお墓」です。「家墓(かぼ)」や「宅墓(たくぼ)」とも呼ばれています。

「手元供養」が2000年ごろから広まり、「手元墓」も5年ほど前からその名が広まりました。その要因の一つは先祖代々のお墓を閉じて「墓じまい」する人が増え、それでも故人を供養したいという方達の思いから徐々に「手元供養」が浸透し始めました。

「手元墓」はその名の通り、お部屋に置けるよう小さくしたお墓で、まさに見た目もお墓そのものを模していたり、美しいアートガラスの墓石の内側に、納骨ユニットが納められたものなど種類も豊富です。1人用から夫婦で入れる2人用などもあり、お部屋のインテリアに合った「手元墓」を選ばれる方が多くいます。

まとめ

生前から人生を終えることへ関心を向ける人が増え、葬送方法やお墓のあり方などの価値観が変化しつつあります。故人にとって、また供養する家族にとって一番最適な方法を選択してみてはいかがでしょうか。

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